本校では「総合的な探究の時間」において3年間の探究プログラムを設定し、「序」(探究スキルの習得)、「論」(ディベート)、「活」(市役所プラン)、「究」(テーマ探究)、「夢」(自分スピーチ)からなる5つの学習課題に取り組み、これからの社会生活でも求められる「情報収集力・分析力」「課題発見力」「情報整理力・まとめる力」「発表する力」などを身に付けていきます。
活動の中心となる「市役所プラン」では、市職員のみなさんはもちろん、大学の先生や地域の皆さまからアドバイスをいただきながら、富士市の課題を見つけ解決策の企画を考えます。
「先行事例は?」「企画を裏付けるデータは?」と、調査や活動体験を通して企画は論理的なものになっていきます。その際に役立っているのが「静岡新聞データベースplus日経テレコン」です。スマートフォンやタブレットが身近な世代は多くの情報に囲まれているようでいて、実はそれがAIによって自分が興味のある分野に偏ったものであることに気付いていません。
茫漠としたインターネットの世界から目的に合い、しかも正しい情報を得ることは高校生にとって難しい作業です。「新聞記事」という信頼性の高い情報群から自分が求めるデータを「静岡新聞データベースplus日経テレコン」から探せるメリットは大きいと感じています。
自分が興味を持ったテーマについて、SDGsとの関連を意識して収集した多様な情報から、必要な情報を選び、それを分析し、エビデンスをもとに自己の考え・意見を構築する「テーマ探究」という学習でも、生徒たちが関連する情報を収集する際に「静岡新聞データベースplus日経テレコン」を活用しています。生徒は「調べ物」となるとまず「インターネット」という世代ですが、 ネット環境を利用しつつも新聞記事にアクセスすることで、新聞記事の情報の信頼性や網羅性の高さを認識していきます。
新聞から得られる情報は、生徒たちの興味・関心を引き、「答えのない問い」へ挑戦する第一歩になっています。各々の探究テーマに沿って活用できる記事を探し出した生徒たちは、知識を得るだけでなく、視野を広げ、多角的に物事を捉えたり、考えたりすることができるようになっていきます。そして、「知る」「考える」段階を踏んで、「行動する」ことができる生徒も少しずつ現れてきています。
このように生徒が自分で課題を設定し、その解決に向けて情報を集め、整理や分析をしながら独自の答えを探す探究学習においては、新聞データベースの活用は有効な手段だと考えています。