本校は、世界文化遺産に登録された三保の松原の近くに位置し、「富士の如く端正に、橘の如く香り高く」を校訓に掲げています。そして、6年間の中高一貫教育で計画的、継続的な教育活動を展開し、生徒の個性や創造性を伸ばすことを目指しています。
高校には普通科と芸術科を設置し、互いのエネルギーと感性を磨きながら、高い知性と豊かな表現力を培ってほしいと期待しています。
本校の教育のキーワードの一つは、「表現力の育成」です。中等部の「表現」の授業で身体的な表現力の育成を図り、高校の総合的な学習の時間「探究と表現」での言語的な表現力の向上に発展させています。
この「静岡新聞データベース plus 日経テレコン」の活用を通して、社会に積極的に関わるための行動力の育成につなげていければと思っています。
読解力の向上、進路選択にも活用
本校の情報の授業では、情報や情報技術に関する事柄を理解し、情報モラルについて学びを深める授業の中で「静岡新聞データベース plus 日経テレコン」を活用しています。
教員側から事例を提示するだけではなく、生徒に興味・関心を持った記事を新聞データベースから調べさせ、それを元に授業が展開できるようになりました。そのために、生徒の授業への取り組みも積極的になりました。
また、生徒が興味を持っていることや知りたいと思っていることを教員側も把握することができるようになり、生徒のニーズに合った授業を構成しやすくもなりました。
さらに、社会の出来事と生徒自身との関わりを考えてほしいという思いから、私の受け持つ1年生のクラスのHRでは、1日1つ記事を選び生徒に紹介し、印刷したものを教室に1日掲示をするという取り組みをしています。文理選択を控えている時期でもあり、社会とのつながりの中で自分の進路を考えるきっかけとしても新聞データベースの活用をしています。
記事や関連する画像の検索が容易であるため、さまざまなニーズに対応できるツールとして、これからも「静岡新聞データベース plus 日経テレコン」を活用していこうと思います。
教科書にない最新情報を学ぶ
勉強や部活に、また芸術科生として音楽・美術に打ち込み、清水南で青春を過ごしてきた生徒たちの卒業が近づき、それぞれが目指す卒業後の進路や大学などで学ぶ学問分野が明確になってきました。
そこで「静岡新聞データベース plus 日経テレコン」を活用し、あるテーマをもとにした複数の新聞記事を用意し、その内容と自らの進路とのつながりや考えられる問題点、そしてそれに対するアプローチを生徒一人一人がまとめ、発表し、共有する授業を行いました。
「LGBT」「障害者雇用」といった記事から社会的弱者について考えた時は、教育学部を目指す生徒は、人間の価値観は幼い頃に培われるので、多様な価値観を受け入れる教育の重要性を説いたり、商品企画を志望する生徒は、ユニバーサルデザインの商品開発の可能性を熱く語ったりしました。
また、法学部志望の生徒は、情報弱者の問題を取り上げ、法的なトラブルの解決に必要な情報やサービスを受け取ることができる法テラスの普及を訴えていました。
そして授業の振り返りでは、「進路先は異なってもその先々で起こる問題はつながっている」という感想を持つ生徒もいました。
高校の学習の仕上げの時期に、生徒たちは「静岡新聞データベース plus 日経テレコン」を上手に活用し、多面的に物事を捉え、知識や意見を重ね合わせた時に起こる自己の変容を実感できたと思います。