文字のない社会の文化を研究しています。無文字社会の語り部はデータベースそのものです。語り部の語りに耳を傾けることとデータベースに目を通すことは共通しています。
人類はその歴史のほとんどを語り部の語りに頼って生きてきました。歴史は語り継ぎ、読み継がれることによって、はじめて歴史として表出し、未来を見通す道標となるのです。
人類は、時として悲惨な歴史を繰り返す愚者でもあり、また歴史から教訓を学ぶ賢者でもあります。
本学附属図書館には『南ヴェトナム戦争従軍記』などを著した岡村昭彦の蔵書(「岡村文庫」)があります。彼は「我々はどんな時代に生きているのか」と問いかけます。この問いに答えるためには、これまでどのような時代を生きてきたのかを問わなければ答えることはできません。
新聞データベースは、暗闇の中で炎を囲んで語る語り部に耳を傾けてきた、時代の闇を照らす炎であり、明日にむけて語られる語りでもあります。
はかない語りや文書が新聞データベースとして生まれ変わった今、私たちは未来への確固たる指針を手に入れたのです。
本学附属図書館は開学以来、積極的に学術資料の収集に努め、現在40万冊の学術図書、5,000種の学術雑誌、30種の新聞を提供しています。学術雑誌は、元々紙媒体で発行されていましたが、インターネットの普及によりオンライン上で利用できる電子媒体が年々増加し、現在9,000種の電子ジャーナル・データベースを提供しています。
さらに、本学では学内LANのネットワークを通じて学内どこからでもアクセスできる環境を構築しており、オンラインデータベースは学生・教職員の研究・教育活動に不可欠なものとなっています。図書館でも、学生のさらなる情報活用のスキル向上を目指して、図書館活用講座やデータベース講習会などを定期的に開催しています。
「静岡新聞データベースplus日経テレコン」は、本学の最も基本的な新聞データベースの1つで、学生や教職員の研究・教育活動を支えています。
また、本年度からの新たな取組『新聞ランチ』では、軽食を取りながら新聞を読み感想を交流するなど、学生の新聞への興味関心を高める事業として好評です。
新聞、そして新聞データベースを活用する機会をこれからも増やしていきたいと考えています。