キャリア教育における２年生の重点目標は「他者を知る」、そして３年生が「自己を深める」です。
基礎的な知識・技能を学んでいる高校生が大学での学問研究について関心や現実感を持たずに選択を強いられ、いきなり学部別の入学試験に挑まなければならない現状に、私は日ごろから問題意識を感じており、実際に進路指導をする中で進路選択に迷っている高校生を多く見てきました。
そこで、２年生の２学期に行われた本校の総合的な探究の時間「鍾駿ゼミ」では、進路希望に基づいたコースに分かれ、「キャリア」コースでは「静岡新聞データベース plus 日経テレコン」から新聞記事の切り抜
きPDFを集め「地域・社会課題の新聞スクラップブック」を作成しました。
生徒は自分の希望大学のシラバスを読み、興味のあるキーワードを選び、「静岡新聞データベース plus 日経テレコン」で検索します。例えば、建築学部を希望するとある生徒は「健康寿命と建築」をテーマに検索、テーマに関わる社会の出来事や問題が時系列に一覧表示されまとめやすいです。
自分が目指す学問分野が社会とどのようにつながっているのかについて理解を深めるのが狙いです。テーマをうまく設定できなかったり、学問分野と新聞記事をうまくつなげられないなど課題はありましたが、前向きな進路選択を後押しする一歩となったと感じています。